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数土 幸夫
Trans. ASME, Ser. C, 118, p.715 - 724, 1996/08
本報は、垂直流路での気液対向二相流下の落下水制限現象について、従来不明であったその発生メカニズムと落下水量を制限する支配因子を明らかにしたものである。流路全長に亘る気液の運動量の釣合式に、気液界面・壁面摩擦を考慮するとともに、流動パターンを考慮した解析モデルを導出し、ボイド率に関し、その釣合式の与える曲線群の包絡線が落下水量の条件を与えるとした。その解析結果は、既存の円管、矩形流路、環状流路の実験結果を非常に良く予測することがわかった。検討の結果、落下水量の支配因子は、ギャップ、幅、長さの流路寸法、注入方式、摩擦損失係数を決定する代表長さに影響する流路形状等が支配パラメータであることがわかった。また、水-蒸気系で注入水がサブクールである場合のサブクーリングの効果も適切に評価できることがわかった。
数土 幸夫
日本機械学会論文集,B, 62(595), p.1157 - 1163, 1996/00
本研究は、ヒートパイプや凝縮器の性能決定やPWR・LOCA時のECC水の冷却性能を決定する上で非常に重要な垂直流路での気液対向二相流の落下水制限現象について、その支配パラメータの1つである注入水のサブクーリングの効果を解析的に明らかにしたものである。従来、実験的にも解析的にもその現象が複雑であるために、ほとんど解明されていなかったが、流路全体で気液の運動量の釣合いを考え、注入水のサブクーリングが上昇蒸気流の流量を減少させる効果を考慮したモデルを展開した結果、解析結果が、既存の実験結果を体系的に良く予測しうることを示したものである。
数土 幸夫; 神永 雅紀
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.223 - 228, 1995/00
ヒートパイプ、板状燃料を用いる研究炉及び商用炉での垂直流路における気液対向二相流で重要な現象である落下水制限(Countercurrent Flow Limitation)現象の、発生メカニズムとその支配パラメータの効果について、内管流路、矩形流路並びに環状流路の特性を解析的に系統的に検討した。その結果、流路長、流路径、又はギャップ、幅並びに注入水の運動量の効果、注入水のサブクーリングの効果を的確に評価できることがわかった。解析結果と既存の各種の流路形状での実験結果との一致は良好であることがわかった。これらから、落下水制限の発生メカニズムについて重要な知見を得ることができた。
数土 幸夫
日本機械学会論文集,B, 60(580), p.4222 - 4228, 1994/12
ほぼ大気圧での円管、矩形、環状の垂直流路で、流路下端が閉塞されているか、又は、流路下端からの冷却水の流入がない場合の限界熱流束の発生メカニズムとその定量的評価を行った。その結果、限界熱流束の発生メカニズムとして、落下液膜流の壁面摩擦と気液界面の摩擦損失、また、矩形流路では断面の長辺での乾きを考慮した対向二相流落下水制限のメカニズムに基づく解析を行った結果、寸法効果を明らかにするとともに、本解析結果が円形流路では、-40~+60%の誤差で、矩形及び環状の加熱流路では-20~+60%の誤差で既存の実験結果を評価することができた。本解析の特徴は、従来の方法では実験的に定めていた定数を用いることなく、解析的に限界熱流束を導出できることである。
数土 幸夫
日本機械学会論文集,B, 60(575), p.2566 - 2572, 1994/07
本論文は、垂直円管の対向二相流落下水制限の発生機構の解明と定量的評価とを行ったものであり、大気圧の空気-水二相流で流路径が19~140mm、流路長が12.7~1520mmの広い流路条件の実験結果に対し、これまで得られなかった非常に高精度での予測を可能にしたもので、併せて次の事柄が明らかになった。(i)「流路全体の気液の運動量の釣合式で、ボイド率に関し、落下水速度が最大となる」解析モデルが実験結果と良い一致を与える。(ii)落下水制限の主要な要因は、相対速度に基づく気液界面の摩擦、層流・遷移域・乱流各領域に対応した壁面摩擦の考慮及び流路形状(長さと径)であることがわかった。
数土 幸夫
日本機械学会論文集,B, 60(574), p.2176 - 2182, 1994/06
垂直矩形流路の対向二相流における落下水制限現象に関し、先に著者らが得た実験結果に対し「流路全体の気液の運動量の釣合式で、落下水量が落下液膜の厚さに関し最大値をとる」新しい解析モデルを適用し、その制限メカニズムの解明と落下水量の定量的評価を行った。その結果、解析モデルは流路長362,782mm、流路幅33,66mm、流路ギャップ2.3~12.3mmの幅広い流路条件での大気圧の空気-水二相流の実験結果と非常に良い一致を示した。また、現象の支配的要因が、矩形流路のどの辺が濡れているかという流動パターン、気液相対速度に基づく気液界面の摩擦損失係数、気液の壁面摩擦の層流,遷移域、乱流域の考慮及び流路断面の縦横長さ比であることを明らかにした。
数土 幸夫; 大貫 晃
Bull.JSME, 27(226), p.708 - 715, 1984/00
本報は、軽水炉の安全評価において重要な気液二相流動現象の1つである、垂直流路における対向気液二相流下の落下水制限の機構を、実験・理論の両面から調べたものである。単一孔垂直流路での空気・水系の落下水制限について次のことが明らかとなった。まず実験から、(1)重要パラメータである流路長Lについて、短流路の場合、Lが大になると、同一の上向き気相流の無次元水流速jに対し落下する水の無次元水流速jは大となる。(2)逆に、長流路ではjは小となる。(3)この短流路と長流路との境界は、流路径をDとすると、概略L/D=2である。一方、理論で、短流路では流路全体で気液二相の圧力差が等しく、長流路では流路上端部で気液二相の圧力差が等しいという、短流路と長流路とでは異る落下水制限機構を考えた。その結果は、実験結果の傾向と良好な一致を示した。
数土 幸夫; 大貫 晃
日本機械学会論文集,B, 49(444), p.1685 - 1694, 1983/00
軽水炉の冷却材喪失事故時の安全評価に重要な、垂直流路での対向二相流の落下水制限機構を明らかにするため、単一孔垂直流路での空気・水二相流を対象に実験と理論の両面から調べた。実験で系統的に主要パラメータ、流路長および流路径の影響を明らかにすると同時に、特に流路長の効果に関して落下水の制限機構として、短流路と長流路とでは異なることを実験および理論から明らかにした。また、本理論の多孔板流路への適用性をも示した。